デイサービスとデイケアの違いを比較！後悔しない選び方

著者：株式会社ほほえみネットワーク竹城

 

デイサービスとデイケア、違いが分からずに悩んでいませんか？

 

介護サービスを検討する中で、「どちらを選べばいいのか分からない」と感じている方は少なくありません。実際、要支援・要介護の高齢者の多くが最初の施設選びに不安を感じたと回答しています。特に、リハビリテーションが必要な方や日常生活の介助を求める方にとって、選択を誤ることは大きな損失に直結することもあります。

 

「医療的なケアが必要だけど、通所介護で十分なのだろうか」「費用やサービス内容の違いがよく分からない」そんな疑問に、本記事では徹底的に向き合います。デイサービスとデイケアの違いはもちろん、利用目的や機能、職員体制、費用、ケア内容などを専門的な視点で丁寧に解説。看護師や理学療法士、作業療法士などの専門職の配置や、施設ごとの特色まで掘り下げ、後悔しない選び方を提示します。

デイサービスとデイケアの違いが注目される背景

高齢化が進む日本では、介護を必要とする高齢者やその家族の数が年々増加しています。それに伴い、介護サービスへの関心も高まる中、特に「デイサービス」と「デイケア」の違いについて悩む人が急増しています。両者はどちらも通所型の介護サービスですが、利用目的や提供される内容が大きく異なるため、正確に理解しないまま選択すると、利用者本人の心身状態や生活の質に大きな影響を与えかねません。

 

利用者やその家族が混乱してしまう主な理由の一つが、名称の類似性と制度の複雑さです。厚生労働省では、デイサービスを「通所介護」、デイケアを「通所リハビリテーション」と分類していますが、現場ではこうした制度上の違いが十分に説明されないまま利用が始まることも少なくありません。その結果、「必要なリハビリが受けられなかった」「思っていたより医療体制が弱かった」といったミスマッチが発生しています。

 

また、介護保険制度自体が年々見直され、加算制度や人員配置基準なども随時改定されているため、ケアマネジャーでさえ最新情報を把握しきれていないケースがあります。これにより、制度の理解不足が現場全体に広がり、利用者の不安を増幅させているのです。

 

実際、介護の現場では以下のような混乱が見られます。

状況	よくある混乱例	結果
要介護者が退院直後でリハビリが必要	デイサービスを選び、リハビリ不足に	身体機能の回復が遅れ、再入院のリスクが上昇
要支援者が孤独感を和らげる目的でデイケアを利用	医療中心で心理的に負担に	通所を嫌がるようになり介護が困難に
家族が違いを理解せずに事業所に依頼	ケアプランとの齟齬が発生	調整し直しにより開始が遅れる

 

上記のような事例からも、正しいサービス選びの重要性が浮き彫りになります。特に、理学療法士や看護師、作業療法士などの専門職が常駐するデイケアは、医師の指示を基にした専門的な訓練や医療ケアが必要な方に向いており、一方で、レクリエーションや日常的な生活支援を重視するデイサービスは、要支援や軽度の要介護者に適していることが多いのです。

 

とはいえ、施設によっては両者の違いが曖昧だったり、医療的な要素を一部取り入れたデイサービスが存在するなど、実態も多様化しています。こうした情報の複雑さが、利用者や家族の判断をさらに難しくしていると言えるでしょう。

 

基本から理解するデイサービスとデイケアの定義と提供されるサービス

デイサービス（通所介護）とデイケア（通所リハビリテーション）は、介護保険制度の中で提供される通所型の支援サービスですが、その目的や内容には明確な違いがあります。特に初めて介護サービスの利用を検討している家族や高齢者にとっては、「何を基準に選べばいいのか」「どちらが今の状態に合っているのか」といった不安がつきまといます。そこで、制度上の違い、利用者の特徴、サービスの具体的な内容などを整理し、誰でもわかりやすく理解できるよう解説します。

 

デイサービスとは、主に要支援・要介護状態にある高齢者が、日帰りで介護施設を利用し、日常生活の支援やレクリエーション、入浴、食事などのサービスを受けるものです。利用者の自立支援や社会的孤立の防止が目的とされており、心身機能の維持と介護者の負担軽減を同時に図る役割を担っています。一方のデイケアは、医師の指示に基づき、理学療法士や作業療法士などの専門職が関与する医療的リハビリテーションを中心としたサービスです。心身機能の回復や在宅生活の継続を目的としており、要介護度が中程度以上で、リハビリを必要とする方に向いています。

 

厚生労働省の介護報酬制度においても両者は明確に分類されています。デイサービスは「通所介護」、デイケアは「通所リハビリテーション」として保険上の根拠が異なり、適用される加算や基準も変わってきます。以下の表で制度上の違いを比較してみましょう。

項目	デイサービス（通所介護）	デイケア（通所リハビリテーション）
サービス提供の主体	介護事業者	医療機関または老健等
主な目的	生活支援・見守り	リハビリ・機能回復
主なスタッフ	介護福祉士、生活相談員など	理学療法士、作業療法士、医師など

 

このように制度上の位置づけが異なることで、サービスの提供体制やスタッフ構成にも違いが生じます。特にデイケアでは、医師が常勤もしくは定期的に関与している必要があり、心身の状態が不安定な方でも安全にリハビリを受けることができる環境が整っています。

 

目的と対象者の違いを解説！誰がどちらを使うべき

デイケアの対象は？医師の指示が必要なケースとは

 

デイケアは、医療的リハビリテーションが必要な高齢者や障害を持つ方が通所する施設であり、医師の指示に基づき専門職が心身機能の回復や維持を目的にサービスを提供します。特に、急性期の治療を終えた後の在宅移行期にある利用者、または慢性疾患に伴う身体機能の低下を抱える方に対して、有効な支援となります。

 

代表的な対象者の例としては以下のようなケースがあります。

 

表1　デイケアの主な対象者と目的

対象者例	必要とされる理由	主な目的
脳梗塞後の高齢者	身体機能の低下、麻痺症状が残る	関節可動域訓練、筋力トレーニング
パーキンソン病患者	動作緩慢、バランス障害がある	バランス訓練、歩行練習
骨折など整形外科手術後	一時的な運動制限	可動域改善、ADL回復支援
認知症進行予防が必要な方	日常生活の自立支援が求められる	記憶トレーニング、生活動作訓練
COPDや心不全など慢性疾患	疲れやすさや息切れが日常生活を制限	呼吸リハビリ、体力維持訓練

 

デイケアの特徴は、医師の指示のもとで行われる点にあります。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門職が個別にプログラムを作成し、医学的管理の下で支援を提供します。このため、病院に通うことが難しいが、自宅療養中にリハビリが必要な方にとっては、非常に重要なサービスとなっています。

 

利用可能な時間は事業所によって異なりますが、半日型（午前・午後いずれか）や1日型の通所が一般的です。また、要介護認定を受けた方のうち、主治医の意見書に基づく計画が必要となることから、事前の診断書やケアプランの整備も重要です。

 

また、入浴や食事提供の有無、送迎の対応などは施設によって異なり、家族が求める機能や支援内容と一致しているかを確認する必要があります。厚生労働省が提示する通所リハビリテーションの施設基準や人員配置にも注目したいです。

 

さらに、医療保険ではなく介護保険での利用となるため、自己負担割合や費用面でも安心感があります。要介護1～5まで幅広く対応可能だが、医療的ケアが主目的であることから、介護予防が主眼の利用者には適さないケースもあります。

 

 

デイサービスの対象と選ばれる理由

 

デイサービスは、主に要支援者や要介護認定を受けた高齢者が、生活支援や見守りを受けるために日中通う施設です。自宅での生活を続けながら、社会的交流や基本的な日常動作の維持を目的としているため、医療的ケアを伴うリハビリは限定的となります。

 

主な対象者には次のようなケースが見られます。

 

表2　デイサービスの対象者と利用目的

対象者例	主な目的	提供される支援内容
一人暮らしの高齢者	安否確認、食事や入浴支援	送迎、入浴、昼食、見守り支援
要支援認定のある高齢者	社会的孤立の防止、軽度機能維持	レクリエーション、体操、口腔ケア
体力が落ちてきた方	軽度な運動や予防的支援	機能訓練、個別リハビリ体操
家族が日中不在の高齢者	家族の介護負担軽減	終日の預かり対応、定期見守り
入院歴のない高齢者	定期的な日中のケアを受けるため	食事介助、排泄支援、入浴支援

 

デイサービスでは、医師の常駐や個別の医学的リハビリは求められないため、利用開始のハードルが比較的低いです。要支援1〜2の認定でも利用でき、地域包括支援センターやケアマネジャーと連携してスムーズに導入できる点が特徴です。

 

日常生活の継続を目的とするため、機能訓練加算のついた簡単な運動や、レクリエーションなども豊富に用意されています。コミュニケーションを図る機会が増えることで、認知症予防やうつ病のリスク軽減にも効果が期待できます。

 

費用面でもデイケアと比べると自己負担額は低めであり、要介護度別に月額費用が定まっているため、料金体系の見通しが立てやすい点も魅力です。

 

施設選びで確認するチェックポイント

デイサービスやデイケア施設の選定は、利用者の心身の健康や家族の介護負担に大きく影響します。しかし、パンフレットや公式サイトを見ただけでは、実際のサービス品質や体制はなかなか分かりにくいものです。そこで、後悔のない施設選びのために押さえておくべき重要なチェックポイントを、施設の信頼性・医療支援体制・感染症対策など多角的な視点から具体的に紹介します。

 

まず注目したいのは「運営実績」「職員の専門性」「資格保持者の在籍状況」です。以下のテーブルは、見学時や相談時に確認しておくべきポイントを一覧にまとめたものです。

チェック項目	推奨される基準や目安
運営年数	5年以上が目安。長期運営は安定性・地域信頼性の指標となる
常勤介護福祉士の人数	要介護者10人あたり1人以上が理想
理学療法士・作業療法士の在籍	デイケアには常駐が義務。デイサービスでは加算対象にもなる
看護師の勤務体制	医療的ケアが必要な場合、日中常駐が望ましい
食事・入浴サービスの有無	必要なサービスが標準で含まれているか、別途料金がかかるか要確認
個別機能訓練の対応	計画書の有無と内容、提供頻度を具体的に聞く

 

とくに「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」などの専門職が常駐しているかは、リハビリの質や継続性を左右する大きなポイントです。通所リハビリテーションであるデイケアではこれらの配置が必須であり、デイサービスでも加算対象として配置されているかどうかが重要になります。

 

次に見落としがちな要素が「感染症対策と衛生管理」です。昨今ではインフルエンザや新型コロナウイルスなど、集団生活の場での感染症リスクが高まっており、施設ごとの対策レベルが利用者の健康に直結します。以下の表に、見学時に確認しておきたい衛生管理に関する具体的な質問事項をまとめました。

衛生管理チェック項目	確認ポイントと推奨される体制
手指消毒の体制	入口や各所にアルコール消毒設置。全職員と来訪者への徹底が必要
清掃頻度と記録管理	トイレ・浴室などを含む高頻度清掃。清掃記録の掲示や説明があるか
感染症発生時の対応マニュアル	感染者隔離・保健所への連絡・家族への通知体制が整っているか
職員の体調管理ルール	毎日の検温・健康チェックが義務化されているか、記録しているか
面会制限やリモート面会対応	感染状況に応じて柔軟に制限できる体制と代替手段（オンライン面会）有無

 

これらはパンフレットには詳細が載っていないことが多いため、必ず施設職員に直接確認するようにしましょう。「マニュアルがある」との回答だけでなく、実際にどう行動するか具体的なオペレーションを聞くことが、現場対応力を見極めるカギになります。

 

さらに、「ホームページやパンフレットの内容・更新頻度」も意外と重要な判断材料です。たとえば、写真が古かったり、更新日が1年以上前であれば、現在の運営体制や施設状況と乖離している可能性があります。写真は実際のスタッフや利用者の様子を反映しているか、レクリエーション風景や設備写真が実在のものかといった点に注目しましょう。疑問があれば見学時に現物と照合することも効果的です。

 

まとめ

デイサービスとデイケアの違いを正しく理解し、目的に合ったサービスを選ぶことは、介護が必要な本人はもちろん、支える家族にとっても大きな安心につながります。デイケアは医師の指示のもとリハビリテーションに特化し、理学療法士や作業療法士、看護師など専門職による医療的ケアが充実しています。一方でデイサービスは、日常生活の支援やレクリエーション、入浴・食事の介助を通じて高齢者の生活機能を維持することに重点を置いたサービスです。

 

厚生労働省の通所系サービスの利用データによれば、要支援や要介護度に応じた適切な選択が、在宅生活の質に直結すると報告されています。特に退院後の心身機能の回復や、認知機能の維持には、ケアマネジャーによるケアプランの精密な作成が重要です。施設ごとのリハビリ設備、職員の資格構成、感染症対策の体制、通所時間や送迎の有無など、選択時に確認すべきチェックポイントも多岐にわたります。

 

「自分にとってはどちらが最適か分からない」「両親の希望とサービスの実態が一致しない」といった声は非常に多く聞かれます。そんなときは、地域包括支援センターや介護相談窓口を通じて、第三者視点を取り入れた判断が効果的です。公的データや現場の声をもとに、選択を誤らないための視点を得ることが、後悔しない介護サービス利用につながります。

 

費用やサービス内容、スタッフの体制などは施設ごとに異なるため、事前の見学と情報収集は必須です。この記事で得た知識を活かし、後悔のない選択をしていただければ幸いです。少しの判断ミスが、大切な時間や費用を無駄にしないためにも、丁寧な検討をおすすめします。

よくある質問

Q. 認知症の高齢者にはデイサービスとデイケアのどちらが適していますか？
A. 認知症の進行度や身体状況によって選ぶべきサービスは異なります。見守りやレクリエーション、生活支援を重視するならデイサービスが向いており、理学療法士や作業療法士による訓練が必要な場合はデイケアが適しています。認知症であってもリハビリ目的が明確な場合は、デイケアの方が機能回復を支援できます。ケアマネジャーや主治医のアセスメント結果をもとに、目的と本人の状態に合った選択が必要です。

 

Q. ケアマネジャーはどのようにしてデイサービスとデイケアの使い分けを判断していますか？
A. ケアマネジャーは要介護認定の区分、本人の心身状態、家族の介護力、生活環境、医師の意見などをもとに総合的に判断します。たとえば、退院直後で筋力低下が著しい場合はデイケア、日常生活の支援が必要な場合はデイサービスを勧めることが多いです。加えて、ケアプランは厚生労働省の指針を踏まえ、利用目的や介護保険の単位数、支給限度額内に収まるように設計されるため、医療的ニーズの有無も重要な判断要素になります。

 

Q. デイサービスとデイケアを同時に利用することはできますか？
A. 併用は可能ですが、同日に両方を利用することは原則認められていません。たとえば、週2回はデイケアでリハビリを受け、別の週2回はデイサービスで入浴や食事支援を受けるといった使い分けが一般的です。介護保険の支給限度額（たとえば要介護2で月18万1000円程度の単位）を超えない範囲であれば保険適用が可能ですが、過剰サービスと判断された場合は一部自己負担が発生することもあります。プラン作成はケアマネジャーとしっかり相談しながら進めましょう。

 

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